相続手続支援センター

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贈与する遺言

こんにちは^^
長野店のあじさいです⚘

暑い日が続いていますが体調はいかがでしょうか。
しっかりと熱中症対策をしてこれからの暑い夏を乗り切りましょう!

先日自筆証書遺言を作成してあった方がお亡くなりになり、遺言書による相続手続をご依頼いただきました。
遺言書の内容は、「私が亡くなったあとは、すべての財産を妻である〇〇に贈与する。」というものでした。

受け取る方は「妻」なので、死亡後に法定相続人が受け取ることになります。
しかし遺言書には「相続」ではなく「贈与」と記載されています。

そのお客様から、贈与ということは贈与税がかかるのですか?というご質問がありました。
贈与税には基礎控除額が110万円しかないので、110万円を超えると税金が発生します。
この場合、受け取る奥様に贈与税がかかってしまうのでしょうか?

答えは・・贈与税はかかりません。
なぜなら贈与を受けているとは見なされないからです。
「贈与」とは受贈者と受遺者双方で契約を結ぶことで効力が発生します。
今回の場合、ご本人の意思のみで遺言書が書かれており、奥様と契約を結んでいません。
そのため「贈与」ではなく「遺贈」の扱いとなります。

そして遺贈は、贈与税ではなく相続税の対象となります。
税金を計算する際の基礎控除額は、贈与税の110万円ではなく、相続税の3,000万円+(600万円×法定相続人の数)となります。

また、不動産の登記の際に登記簿に載る登記原因も、「贈与」ではなく「遺贈」となります。
以前は「遺贈」の登記には、法定相続人全員の承諾が必要でしたが、令和5年4月1日よりそれも不要となりました。
そのため今回は、税金面、登記手続面では「相続」の遺言と同じように手続きを進めることが出来ました。

ただ、金融機関の手続きは自筆証書遺言で尚且つ遺言執行者が指定されていなかったため、法定相続人全員の同意書が必要となりました。

このように遺言書への記載文言の違いや、遺言書の種類の違いによっては、手続き上の手順が違う事があります。
遺言書作成をお考えの方は、作成した遺言書によってどのような手続きが必要となるのか、しっかりと確認した上で作成しましょう^^

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