遺言書(遺言についてのよくあるご質問)
遺産の分割は遺産分割協議によって決めるのが理想的ですが、相続人全員が納得するように分けるのは難しいものです。
また、相続人ではない人に財産を渡したいといったケースや、特定の相続人には財産を渡したくないといったような、法定相続では対応できないケースなどもあることでしょう。
そうした場合に将来のトラブルを未然に防ぐことができるのが遺言書の活用です。
遺言についてのよくあるご質問
Q1:長男は跡取りなので本家を相続させたいが、代々続く家を絶対に売却してほしくない。
A:長男に本家を相続させることはできますが、自宅を売らないことを約束させることはできません。
遺言は、遺言者の所有する財産について、「誰に」、「何を」渡すかを記載するものです。長男が自宅を受け取った時点で長男の財産になります。本家を守ることの重要性や、遺言者様の大事にしている想いを遺言を通じて伝えることはできますが、長男がどのようにその財産を処分するかは、長男の意思次第となります。
Q2:私の大切にしているペット(みーこ)の世話をAさんにしてもらえるよう遺言に残したい。
A:ペットは財産ではないので、遺言で飼い主の指定をし、世話をしてもらうことを要請することはできません。
Q3:遺言で私の持つ全ての財産を、公共団体に寄付したい。
A:遺言では、相続人以外の人に自身の財産を渡したり、団体に寄付をすることができます。寄付をする相手方の承諾は不要です。遺言は遺言者の一方的な意思表示のみで成立するからです。
しかしながら、遺言で残す財産を受け取る側が必要としない場合もあります。受け取ってもらえなかった場合は、相続人全員で話し合いをし、誰が、何を相続するかを決めることになります。
Q1、Q2については付言(ふげん)を利用してお願いをすることができます。
Q1では、長男に「先祖代々続く本家を今後も守り続けてください。」、Q2ではAさんに「大事なみーこが最後まで幸せに暮らせるようにどうぞ可愛がってください。」と記載することで自分が大切にしている思いが伝えることが可能となります。